「児童館・放課後児童クラブ テキストシリーズ(1) 健全育成論」を読んで学んだこと
1.こどもを支える地域の連帯
地域の大人との関わりは、こどもにとって多様な人間関係を体験する社会訓練の場であり、地域文化や生活技術の伝承の場となっている。幸福感は人と人との関係性によってもたらされる。健全育成はこども達を取り巻く地域の大人たちが「信頼関係」や「相互扶助精神」をもって連帯していくことがとても重要である。こどもは家庭と学校だけではなく、地域で育つという価値観を今一度見直す必要がある。
2.遊びの価値
楽しみのために自分から進んで行う主体的活動は、ほとんど遊びということができる。逆に同じ活動であっても誰かに強制されておこなうことは遊びではない。遊びの目的は行為そのものにあり、その楽しさやおもしろさにどのような分析も論理的解釈も必要ない。
3.こどもの欲求と遊び
人間には生まれつき備わっている本能的・生理的欲求がある。「人から好かれたい」「仲間に認められたい」という気持ちは、こどもだけでなく大人になっても持ち続ける欲求である。いつもはあまりやりたくないお手伝いや嫌な勉強であっても、誰かにほめられたり認められたりして欲求が満たされると、「おもしろい」「楽しい」「うれしい」「やりたい」という快適な心理状態となり、知らず知らずのうちに健全な発達へと導かれていく。
4.こどもの健全育成
こどもの社会力を育てるには他者との相互行為が極めて大事であり、やれることは何でも体験させることが大事である。ありのままの自分に十分価値があると思えることは、こどもの健やかな育ちに欠かせない感情である。「勉強ができる」とか「ピアノが上手」といった比べることができることによって得られる自信は、自分より優れた者に出会ったときに強い劣等感が生まれる。また自分より劣っている者に対して歪んだ優越感をもつようになる。「根拠のない自信」は、何かができるとか上手だからといった条件つきの自信ではなく、幼少期から無条件に愛されて身に付いた基本的信頼感によって獲得できる。すべての人は、まわりの人からほめられたり認められたりしたいと思っている。こどもはなおさらである。危険なことや悪いことでない限り、こどもの自主性を認め、気持ちを受け止め、意図的に良いところを見つけて、できるだけほめてあげることがこどもの援助者に求められる重要な職務である。人から認められた喜びや満足感によって安定した心理状態となり、相手を受け入れようとする気持ちになる。どのような環境にあるこどもであっても、必ずいつかは回避できないような「困難」「苦労」「失敗」「敗北」「挫折」に直面することがある。そこで、あきらめたり、くじけたり、逃げたりせずに、心の状態を維持・回復していく力が必要である。問題に直面してもそのストレスにもちこたえる欲求不満耐性や障壁を乗り越えようとする心の弾力性を育てていくことは、こどもの健全育成において、とても重要な観点である。居場所としての空間だけがあればいいのではなく、そこに自分を受け入れてくれる人がいることが必須条件といえる。「こんなことをやってみたい」「今度はこうしたい」というような、こども達の意見やつぶやきをしっかり受け止め、自発的な活動や主体的な活動をできる限りサポートしていくことが重要である。
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