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やさしい教育心理学 鎌原雅彦・竹綱誠一(有斐閣アルマ)を読んで学んだこと

 1.記憶力がいいとはどういうことか

 一時的に覚えている記憶を「短期記憶」、昔の出来事を覚えているような記憶を「長期記憶」という。記憶力を高めるには、短期記憶を長期記憶に転送することが必要である。もの覚えが悪いと思っている人も、長期記憶の容量が不足しているということではない。短期記憶に入った情報を、いかにうまく長期記憶に定着させれるかということと、長期記憶にある情報をいかにうまく取り出すことができるか、ということである。

 短期記憶の情報は10数秒で消失する。頭の中で繰り返すことで、この情報を短期記憶に留めておくことができるが、それだけでは長期記憶には転送されない。その情報を連想できる単語と関連づけることが大切である。記憶した事柄は、なるべく自分自身と関連づけて覚えるようにすればよい。

 記憶のもうひとつの重要な側面は、忘れる(忘却)ということである。一度全部記憶しても、そのまま放っておくと大半を忘れてしまうが、数時間のうちに繰り返し学習すれば忘れにくくなる。学習後睡眠をとった時と覚醒していたときでは、忘れる度合いが異なる。学習後すぐに睡眠をとったときのほうが、記憶が長く保持される。これは起きていると、学習したことと関係のない余計な情報が入ってきて干渉が起こり、忘れてしまうからだと考えられている。

2.ほめることの大切さ

 人間は、他者から賞賛されたいという動因をもっている。特に園児や児童はこの動因を強く持っており、親や教師にほめられることが動機づけの誘因となる。児童の行動を賞賛するすることは、その行動が望ましいことを伝えることになり、こどもが望ましい行動をしたときに褒めることは、教育的にみても大切なことである。

 ほかの園児と遊ぶことができない園児をほかの園児と遊べるようにする方法について考える。一人であそんでいる園児に先生が直接かかわると、そのこどもは「一人で遊ぶと先生が関わってくれるので、一人でいるほがいい」と考えてしまい、他の園児とあそぼうとしないことになる。そこで、その園児が他の園児と一緒に遊んでいる時に、その園児と関わることで問題行動の改善につながる。

3.やる気を考える

 成功に向けて頑張ろうとする動機づけの強さは、その人がもつ「達成動機」、成功できそうかどうかという「期待」、その成功の「価値」によって決まると考えらる。

  達成行動を行おうとする動機=個人の達成動機×期待×価値

 一般に「期待」が高い(簡単できる内容)ほど「価値」は小さく、「期待」が低い(難しい内容)ほど「価値」は大きいと考えられる。したがって「動機」が「期待」×「価値」とすれば、「期待高い(10点)」×「価値低い(1点)」=10点、「期待低い(1点)」×「価値高い(10点)」=10点でるあるのに対して、「期待(5点)」×「価値(5点)」=25点となり、できるかできないか五分五分のときに「動機」が最大となり、一番頑張ろうとすることになる。そこで、こどもに課題を与える時は、やさしすぎる課題や難しすぎる課題は、こどものやる気をそぐことになるので、こどもが自分でちょっと頑張ればできそうだと思う課題を与えることが大切である。


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